蓮根教室

教科書のまえがき

今、自分は何のために勉強しているのだろう。

生徒の皆さんには、そう悩み続けている人が少なくないかもしれません。かくいう僕も、苦手な教科ではそう思っていました。あ、蓮根教室講師の有馬です。

けれど、そんな時に読んでほしいものがあります。

 

 

「教科書のまえがき」です。

 

学校で使う教科書には、本の頭や章の始まりに、教科書を作った方からの短いことばが載ることがあります。

授業ではきっと読み飛ばしてしまうはずの「まえがき」。

ですがそれは、今からやる学問がどう楽しいのか、どう僕たちにかかわってくるのかを、丁寧に伝えてくれるのです。

 

***

 

今日は少し、中学1年生の教科書を見てみましょう。まずは「国語」

教科書を開けば、
たくさんの言葉があなたを待っている。

新しい言葉に出会う喜びを知ろう。
気になる言葉に出会ったら、
立ち止まり、考えてみよう。

友達を増やすように、
自分の言葉を増やしていこう。
言葉の数だけ、世界は豊かに見えてくる。
言葉の数だけ、未来は希望に満ちてくる。
言葉の数だけ、自分の可能性が開かれる。

さあ、小学校で学んだことを生かして、
中学校の国語を学んでいこう。

『国語 1』(光村図書) p.13「言葉に出会うために」より

国語で勉強する言葉は時に難しかったり、古かったりします。

読むのは面倒かもしれませんが、それを今知っておくことは、思いがけない人や世界と出会うきっかけになります。人間をつなぐのは、いつだって言葉なのです。

もしかしたら、将来の職業にかかわったりして。

 

次は「数学」。新しい計算方法をたくさん学ぶ中学生に、教科書が伝えることは?

これまでひき算をするとき
小さな数から大きな数はひけませんでした。
中学校ではひき算の答えがいつでも出せるように
数の世界をひろげます。
では,そのひろがった世界では,かけ算やわり算はどうなるのでしょうか。

一方が2倍,3倍,……になると
もう一方も2倍,3倍,……になる。
それが比例でした。
でも,世の中には,もっといろいろな変化のしかたがあります。

(中略)

このようにして,数学の世界はどんどんひろがっていきます。
その世界の探検家になったつもりで
数学の学習を進めてみましょう。

『新編 新しい数学 1』(東京書籍) 見返しp.3より

中学の数学は、難しさでつらくなる人も多いはず。

ですが、マイナスの数や比例しない変化などを学ぶことで、誰でも少し世の中の仕組みを考えられるようになります(理科にも通じるかもしれません)。

僕らはこの世界に生きる限り、みんな数の「探検家」なのです。

 

最後に読むのは「理科」。このまえがきには「見えないものを見る科学の力」という題がついています。

おなかが痛いとき,目に見えないほど小さくなった医者が体の中に入っていき,痛いところを直接診察してくれたらどんなにいいでしょう。痛みの原因は何で,どんな薬が必要か,すぐにわかるかもしれません。私たち人類は,そんな世界を夢見て,かつては肉眼では見えなかったものを「見える」ようにしてきました。(中略)みなさんも,科学的な方法を使って科学の世界にふれてみましょう。

『新編 新しい科学 1』(東京書籍) 見返しp.1「科学と人の物語」より

周りを見渡せば、部屋にも日用品にも、空気にだって不思議はいっぱい。

見開きには、顕微鏡で見た花粉や、見えない気体を薬品に溶かした写真もいっしょに載っています。

それらを見ると、科学で見る世界のすがたが気になってくるような…?

 

***

 

あらためて、最初の疑問に戻ってみましょう。

「今、自分は何のために勉強しているのだろう」

 

はっきり答えが出るかはわからないし、決して無理に出すことはない。

でも、まえがきを一度読んでみれば、何となくその面白さが見えるかもしれません。必要ないと思っている学びが、僕らを毎日作り上げているのです。

 

ナカジュク蓮根教室 有馬 武蔵

 

【参考教科書】※いずれも中学1年生用、平成28年度以降の現行版

  • 『国語 1』 光村図書出版
  • 『新編 新しい数学 1』 東京書籍
  • 『新編 新しい科学 1』 東京書籍

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